朝日新聞が報じたところによると、総務省検討会は、携帯電話の電波が心臓ペースメーカーに影響を及ぼす恐れが非常に低いとの文言を盛り込んだ指針案を発表しました。意見公募後、8月にも正式化する見通し。
2Gの電波では確かにペースメーカーが影響を受ける例もあり、携帯電話はペースメーカーから15cm以上離すという距離基準が定められてきました。指針案では、影響を及ぼす可能性が非常に低いとしながらも、15cmという距離を維持しています。
今回の指針案を作るにあたって、総務省はペースメーカー・人工心臓を動かす装置など医療機器の影響を調査したところ、一部機器では3cm以内に近づけると誤作動があったそうです。
ただし一部の識者は、今回の調査が医療機器の感度を最大に、携帯電話の電波を最大出力にしており、現実には起こりえないと指摘しています。さらに携帯電話がペースメーカーに影響を及ぼしたという例も一件も報告されていません。指針案はまだ検討の余地があるように見えます。
現在、各鉄道の優先席付近で携帯電話の電源をオフにするよう求めるアナウンスは、前時代の2G基準の指針を引きずっていると言えます。一部の鉄道事業者が既に実施しているように、こうした案内も科学的に適正化されることを願います。