総務省の「初期契約解除制度」が判明。既に「失敗」は明らか、キャリアのSIMロック解除拒否に対して業務改善命令を発動すべき。

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 総務省が省令改正案を発表したとSankeiBizが報じました。2016年5月、改正電気通信事業法の施行に合わせて改正する予定です。

 携帯電話販売店に契約書面の交付を義務づけることや、2年契約の更新時にユーザーに通知する説明義務も明記。周知徹底が遵守されない場合、ユーザーが購入後8日以内に通信契約を解除できる「初期契約解除制度」も導入します。携帯電話はもちろん固定回線サービスも対象となります。

 「初期契約解除制度」は、契約書面の交付と、高齢者・障害者でも理解できる説明がなされていれば制度の対象外とするそうです。

 しかし、販売現場での説明が不十分であったかを立証することは容易ではなく、言った・言わないの不毛な争いとなることは自明です。本来のクーリングオフのように「一定期間以内なら『無条件で』返品(解除)可能」という消費者寄りの仕組みにしていれば、そのような問題は生じないはずです。

 また、回線契約のみを対象とし、「端末返品」を除外したのは失策だと思います。端末の返品は、販売店への負担も大きいことから仕方ない部分もあるとはいえ、その上で、総務省有識者会議の目論見は「通信契約に問題があれば、通信契約を解除して、端末のSIMロックも解除して、次の携帯会社で端末を使えばいい」というものでした。

 しかしながら、携帯キャリアはSIMロック解除を、端末購入から半年間拒否しています。つまり、仮に「初期契約解除制度」により8日以内に契約を解除しても、手元にはSIMロックされた端末と、SIMロックされた端末の割賦代金残債だけが残ることになります。消費者保護策としては不十分でしょう。今回の消費者保護ルールの制度設計には整合性がなく、既に現段階で失敗していると言えます。

 もし総務省が、携帯キャリアの設定するSIMロック解除の拒否期間を、電気通信事業法第29条の業務改善命令により撤廃し、契約解除後に端末をそのまま他社でも自由に使えるようにすれば、一応の整合性は取れると思います。

 総務省はSIMロック解除義務化について、あくまで「ガイドライン」に留めてはいるものの、不履行の場合に、携帯キャリアに対して業務改善命令を発動することを明言することで、法律上の強制力を担保しています。

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