愛する人のスマホ、あなたは見たいと思う方でしょうか?多分、見て悲しいことこそあれ、嬉しいことが見つかることは稀だと思いますが、それでもやっぱり気になるのが人情かもしれません。
それでも、もしあなたが「見たい!」と言うなら、それをかなえる商売も、世の中にはあるようです。
妻が夫のスマホにスパイウェアをインストール、スパイウェア販売者が逮捕起訴された、と名城蘇州網が報じました。「浮気調査を興信所に依頼」という話はちょくちょく聞きますが、ここらへんは流石中国、無駄にハイテクです。
スマホを使用していない時も、データ使用量が異常に多いことに気付いた江蘇省蘇州市在住の男性、秦某氏が不審に思い警察に通報したところ、すぐに原因が特定されました。
なんと、妻が夫のスマホを「盗聴」するために、スパイウェアを購入してインストールしていたことが判明。
蘇州市相城区警察は鄒某容疑者を「コンピューター情報システムに侵入、不法にコントロールする機能を有する道具を提供した罪」で逮捕、10月17日に蘇州市相城区人民法院にて公判が開かれました。起訴人は、禁固4カ月から6カ月の間の量刑を提案しています。
鄒某被告は法廷で、「スパイウェアは買ったもの、費用は数千元(1元=約17円)でした。機能はショートメッセージ、通話録音、通話記録を『盗聴』するもので、ユーザーはメールボックスを設置すると、そこから情報を取得できます」と供述しました。チャットアプリは「盗聴」できないのでしょうか。
今までに明らかになっているだけで、鄒某被告はスパイウェアを複数回販売し、張某からは1万2320元、唐某からは3630元の利益を不法に取得したとのこと。なお、ともに夫のスマホを監視する目的で購入したそうです。
価格が異なるのが気になるところですが、唐某は夫のスマホにスパイウェアをインストールした後、継続して合計8000元を支払ったとのことなので、拡張機能などがあったのかも知れません。
記事中、スパイウェアをインストールした妻らの法律責任については言及されていませんが、中華人民共和国刑法では、当然コンピューターへの不法アクセスも罰則対象となっています。はたして起訴されるのか。いずれにせよ、盛大な夫婦喧嘩は確定でしょうが。
いくらスマホの中身が知りたくても、スパイウェアを恋人や夫婦間でこっそりインストールすることは、立派な犯罪行為なので、やめましょうね。
それにしても、「データ通信料がやけに多い……よし、通報しよう」と思い立ったのも凄いと思いますし、ちゃんと対応した警察はえらいなと感心しました。ちなみに日本の警察署では、生活安全課がサイバー関係の窓口です。