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米陸軍が200億ドルの大型契約。選ばれたのは「あの防衛テックスタートアップ」

 戦場の主役が火薬からソフトウェアへ。

 ウクライナや中東で無人機の脅威が急拡大し、従来の兵器体系だけでは追いつけません。そこで米陸軍がパートナーに選んだのが、カリフォルニア州コスタメサの防衛テックスタートアップAnduril Industriesでした。TechCrunchが伝えています。

 米陸軍は2026年3月13日、Andurilと推定総額最大200億ドルの包括契約を締結しました。期間は10年間(基本5年+オプション5年)、完了予定は2036年3月12日です。

 注目すべきは契約の構造です。米陸軍はこれまでAnduril製品の導入に120件超の個別調達を抱えていましたが、今回はそれらを1つの枠組みに統合。ハードウェアからソフトウェア、データ基盤、技術支援までを一括調達できるようにし、下請けのパススルー費用排除、調達期間短縮、数量値引き、交渉負担の軽減を狙います。

 契約の中核がAndurilの「Lattice」スイートです。公式資料ではオープンアーキテクチャのAI対応ソリューション群とされ、対無人機分野の共通C2(指揮統制)基盤に位置づけられています。統合省庁間タスクフォース401のマット・ロス准将は、テストやウクライナ訪問の知見から、敵対的ドローンへの対抗には共通の指揮統制システムが不可欠だと述べました。Latticeは、ばらばらだった対ドローン運用を1つの基盤にまとめる存在です。

 Andurilは、Oculus VRの創業者Palmer Luckey氏らが2017年に立ち上げた防衛テックスタートアップです。拠点はカリフォルニア州コスタメサ。コンシューマー向けVRヘッドセットで名を馳せたLuckey氏が「次に書き換えるOS」として選んだのが戦場でした。

 主力製品はAI対応の指揮統制プラットフォーム「Lattice」で、自律型ドローンや無人潜水艦といったソフトウェア定義型の防衛システムを幅広く手がけています。売上高は2024年の約10億ドルから2025年には約20億ドルへ倍増したとされ、2025年6月のシリーズGで評価額は305億ドルに到達。2026年3月時点では約600億ドル規模の新ラウンドも報じられており、創業9年で老舗防衛大手に迫る存在感を見せています。

 背景にはドローン脅威の急速な深刻化があります。DefenseScoopによると、米中央軍のクーパー司令官はイランが紛争初期に2000機超のドローンと500発の弾道ミサイルを発射したと説明。北方軍・NORAD司令官も2024年に米軍施設100か所で350件のドローン探知があったと議会で証言しています。カウンタードローン能力は「あれば便利」ではなく、喫緊の課題です。

 もちろん200億ドルは契約上の最大推定額であり、確定支出額ではありません。米陸軍も将来のプログラム競争を代替するものではないと明記しています。それでも創業9年のスタートアップがLockheed MartinやRaytheonに匹敵する規模の契約を勝ち取った事実は、防衛産業の地殻変動そのものと言えそうです。

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