KDDIの「4G LTE」のエリアマップが公開されました。サービスインから間もないにも関わらず、非常に広いエリアを誇っています。東海地方を中心に見てみましょう。
KDDIのLTEのエリアは、ごらんの通り凄まじいカバー率です。
一方、こちらは「docomo LTE Xi」のエリアマップ。
ちょっと頼りないですね。名古屋圏内なら快適にしても、他は狭いです。
続いて、「SoftBank 4G LTE」のマップ。
KDDIに負けず劣らず、意外と頑張っています。
ざっくりとした比較ですが、実はauとSBのエリアマップには留意点があります。
KDDIの「4G LTE」は、2.1GHz帯、1.5GHz帯、800MHz帯の3つの周波数帯で構成されています。11月に入って順次発売されているAndroid端末はこのエリアマップを信じてもらえばいいと思います。しかし、iPhoneはこの限りではありません。au版iPhone5は、2.1GHz帯のLTEしか掴みません。
そこでau版iPhone5のユーザーが見てもらうのがこちら。市町村が列挙されているだけで、なんとエリアマップは公開されていません。お察し下さいというわけです。元々は2.1GHz帯のLTEは、KDDIとしてもあまり本命ではなかったでしょうしね…。
つまり、KDDIの4G LTEの雄大なエリアマップで大喜びできるのは、Androidユーザーだけということです。
これで安堵を覚えているそこのSoftBankユーザー、待って下さい。安心できるのは、逆に、iPhone5のユーザーだけですよ。だって、SBのAndroidユーザーが見るのはこのエリアマップではありませんからね。
というのも、「SoftBank 4G LTE」というのは、FDD-LTE方式で展開されており、事実上iPhone5のみで使われています。SBのAndroidユーザーが見るべきなのは、TD-LTE(AXGP)方式で展開されている「SoftBank 4G」のエリアマップになります。
狭っ! ULTRASPEEDや今後の展開予定エリアも混じってわかりづらくされていますが、要は今使えるのは濃いオレンジ色の部分。まだまだ現時点ではSBのAndroidのLTE対応エリアは狭いです。
というわけで、サービスイン直後から泣く子も黙るエリアの4G LTEを、フルに楽しめるKDDIのAndroid冬モデルが当面のベストチョイスということになりそうです。図らずもau版iPhone5を選ぶ動機がちょっぴり削がれる結果に。
結局「1.2GB制限」が撤回されたSoftBank版iPhone5は、24時間通話定額とテザリングオプションの開始まであと少し。さらにSIMカードの汎用性がマニア的には非常に魅力的なので、イーモバイルの1.7GHz帯を妄想するとヨダレが出そう。64GBモデルなら在庫も潤沢になりつつあり、今後はSoftBank版iPhone5が(少なくともマニア的なニュアンスでは)魅力的になりそうです。
複数回線開けたい人は、SB版iPhone5とauのAndroidの二刀流なんて布陣が、複数のOSをカバーしつつ、LTEエリア的にもとりあえず死角が少なそうな感じですね。
もちろん、LTEに比して残念なSBの3Gエリアや、実際の個々人の行動圏内と各社のエリアがどれだけ被っているか、といった実状も絡んできますから、そう単純には複数回線と端末の配分を決められないのもまた事実です。