究極の映画スマホ誕生!ソニーの技術満載「Xperia 1」国内発表レポ すまほん!!

 Sony Mobileは、フラッグシップAndroidスマートフォン「Xperia 1」を、日本国内で2019年4月16日に正式発表しました。販路は明かされませんでしたが、発売時期は「初夏を予定」とのこと。

 この記事では「Xperia 1」の国内発表会からわかった仕様・新機能、そしてハンズオンの感想を紹介します。動画版レポはこちら(試しに21:9で出力しています)。

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来た!「Xperia 1」国内正式発表

キャリア発表にメーカー発表が先行

 日本の携帯市場は大手携帯キャリアが端末販路まで牛耳っており、これまでXperiaの国内モデルの発表はキャリア発表を待つ必要がありました。ここに来てソニー自ら国内発表会を先行して開催したことは画期的な動きと言えます。

 端末と通信の料金だけを分離する日本。これからメーカーはキャリアに頼らず、自らの力で果敢に攻めていく姿勢が求められます。同じくSHARPもキャリアに先行して独自の製品発表会を行うようになっています。

岸田社長「ソニーの技術結集、好きを極めたい人に想像超えた体験を」

 ソニーモバイルの岸田光哉社長が登壇。新しい経営チームになって1年間、何をすべきか考えた結果、好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを届けたいという1つのビジョンに行き着いたといいます。

 ソニーグループ全体から非常に多くのサポートを得て、オーディオ、映像技術全てを注ぎ、1から生まれ変わったXperiaであるとし、と新しい意気込みを語りました。

 このほか、企画部門企画部コミュニケーション戦略家の染谷洋祐氏から製品に関する各特徴についての説明が実施。商品の体験ブースも設置されていました。

オーディオ・ビジュアル・ゲームを強化した「Xperia 1」

比率21:9 シネマワイドディスプレイ

(左が21:9のXperia 1。16:9と比べると情報表示量が大きく異なる)

 アスペクト比21:9のシネマワイドディスプレイを搭載。ノッチなしでベゼルレス化を達成。画面方式は有機ELで、4K HDRにも対応。サイズは6.5インチ、解像度は3840×1644ピクセル。21:9ということはシネスコ比率なので、昨今の映画を視聴することの多い人にはうってつけの画面比率です。

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 21:9になると、情報表示量が大きく増加するほか、Android OSのマルチウィンドウも快適に行えるメリットがあります。Xperia独自の機能として、マルチウィンドウを立ち上げる専用のショートカットアプリもプリインストール。このショートカットから起動すれば、起動タップ含めわずか3タップで2つのアプリを配置できます。Android OS純正のマルチウィンドウ配置操作が煩わしい人にとっては嬉しい機能です。

ブラビア譲りの画質補正

 BRAVIA技術による「X1 for mobile」エンジンでネット上のSDRコンテンツもリアルタイム解析して、HDRリマスター表示

 4K有機ELテレビも投入するソニーのテレビブランドBRAVIA(ブラビア)は、プラットフォームにAndroid TVを採用、画質補正機能は地上波放送のみならず、インターネットコンテンツにも効きます。まさに手のひらにBRAVIA。

映画事業部と協力し音響調整

 立体音響技術Dolby Atomos対応による映画の没入体験が可能。音の回り込みや発話者位置など、立体感をより高めるため、映画事業部、ソニー・ピクチャーズエンターテイメントと綿密に連携しているとのこと。

 実際筆者がヘッドフォンで体験したところ、映画でヘリコプターが主人公頭上を旋回するシーンを視聴中、本当に音源が頭上を旋回するかのような没入感を味わうことができました。展示コーナーで聞いたところによると、ソニー・ピクチャーズにエンジニアを送りスタジオで調整、本当に映画館に居るかのような立体感、臨場感を目指したとのことです。

プロ向け「マスターモニター」譲りの発色

 Xperia 1のディスプレイは、映像制作の現場でプロが使う基準機であるマスターモニターと同じ表示になるようチューニングしているとのこと。お値段四百万円(展示員談)のマスターモニター実機と比較展示がされていました。

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 画質設定からクリエイターモードを選択すると、Ultra HD放送規格 ITU-R BT.2020準拠の色域と、10bit信号対応の映像表示が可能であるとしています。Netflix視聴で自動適用とのこと。

 映像製作者の画質調整環境と同等ということは、クリエイターの意図した画を手のひらでそのまま楽しめるということ。映画好きや映像マニアにはたまらないモードとなっています。

 ノッチのない21:9のシネマワイドディスプレイで、邪魔なノッチも黒帯もなく、快適な表示で映画を楽しめる上、マスターモニター準拠の調整。確かに、展示されているマスターモニターと比較しても、かなり近い色調整がされているように見えました。

ゲームエンハンサーで快適なゲームプレイ

 快適なゲームプレイを実現する「Game enhancer(ゲームエンハンサー)」に対応。動作の様子は動画で(2分8秒辺りから)確認できます。

 ゲームプレイ中の最適化、メッセージ通知オフやメモリ解放、誤作動防止でオンスクリーンキーをロックする機能など。ここまでは中華スマホで流行りのゲーミング機能にもありますが、ゲームエンハンサーではさらに自身をインカメラでセルフィー撮影しながらゲーム録画するスクリーンレコードにも対応。ゲーム実況系の動画を上げる人には注目の機能でしょう。ただし両手でしっかり握るゲームだと、インカメラと手が重なってしまい、自身を撮れないことがあるのは注意が必要です。

 ゲームのローディング中・マッチング待機中などに利用できる、オーバーレイ表示のブラウザ・YouTube視聴機能を搭載。攻略情報の表示を想定しており、検索欄にアプリのゲーム名がデフォルトで入力される至れり尽くせり。見たところ、スモールアプリに似ているなぁとも思ったのですが、そういえばスモールアプリは当時、モバイルではなくソニー本体がSony Tablet向けに開発した経緯があるんですよね。いろいろ示唆に富む点な気もします。

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 21:9対応ゲームがまだまだ出揃っていないことがネックですが、少なくともAsphalt 9、Fortnite、伝説対決Arena of Valorと提携し、これらは21:9対応であるとのことです。基本的に多くの普通のアプリは変な作りをしていない限り21:9ディスプレイだろうが概ね正しく表示されるはずですが、ゲーム系は崩れるものもあるでしょうね。ゲームデベロッパーが21:9への対応を進めることに期待したいところです。

ついに「Xperia 1」のカメラは三眼構成に。その特徴は?

三眼構成

 トリプルレンズカメラを搭載。構成は26mm F1.6 広角 OISあり、52mm F2.4 望遠 OISあり、16mm F2.4 超広角。いずれも1220万画素。

 レーザーAFはありませんが、デュアルピクセルオートフォーカスにより暗所でのフォーカスも向上。

画像処理

 画像処理エンジン「BIONZ X for mobile」により、撮影時RAWデータの段階でノイズ低減処理を実施。これまでJPEG圧縮してからノイズリダクションという工程であったのと比べると、さすがカメラ事業部出身者で経営陣を刷新し、1から作り直したXperiaだけあって、抜本的な改善の試みが伺えます。

 カメラ設定は画質優先と歪み補正優先が選択可能で、DNG形式でのRAW保存にも対応など、待望の機能も。これからはXperiaにて撮影、それをAdobe Lightroomで現像を楽しめますね。

圧倒的な暗所動画撮影能力

 Xperiaといえば、Zシリーズで驚異的な動画手ブレ補正を搭載、他社に大きな優位性がありました。しかしそこから大きな進歩に乏しく、今となっては他社に追いつかれ、追い抜かれている点です。

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 Xperia 1は、画素数をあえて減らしていることで画素ピッチもやや大型化。三眼のうち2つはOIS、つまり光学式手ブレ補正を搭載し、電子式とも組み合わせた新たなハイブリッド手ブレ補正を備えます。

 低照度の動画撮影では、Xperia XZ3は被写体や光源がブレッブレで、1コマづつ切り出すとかなり酷いのに対し、Xperia 1はハッキリ描写、一時停止で確認しても全くブレておらず輪郭くっきり。驚異的な進化を見せていました。

瞳AF

 ソニーのカメラαシリーズで注目の「瞳AF(オートフォーカス)」に対応。瞳を捕捉しフォーカスを追従する、ポートレート撮影の強い味方。

 ソニーの一眼カメラの最新トレンド機能が早くも降りてきたというのが驚きであり、当然ながらスマホとして世界初の対応。開発機のスマホにしては瞳AF、結構粘ってました。さらに最大10fpsの高速AF/高速自動露出にも対応します。

アプリでプロ機器準拠の映画撮影「シネマプロ」

 プロ向けカメラブランドCineAltaの、映画撮影カメラ「VENICE」と同じUIを備えたカメラアプリ「Cinema Pro(シネマプロ)」を搭載。21:9比率、24fps、映画同等の色調補正を加え、簡単に映画風の動画を撮影できる専用アプリとなっています。細かい設定調整やマニュアルフォーカス対応で、さすが映像機器部門と連携して開発しただけあります。本格派のUIにワクワク感MAX。

 プリセットされたLookのみ選択可能で追加はできず、S-Logには非対応。アップデートまたは後継機では是非S-Log3に対応し、他社に追従不能な唯我独尊最強映画スマホを目指して欲しいですね。

ソニーのカメラと連携、映像の仕事も革新

 なんとXperia 1をCineAltaのカメラのサブモニターとして、小型マスターモニターとして利用する機器連携が提案されていました。マスターモニター準拠に画質調整されたXperia 1ならではですね。

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 ImagingEdgeアプリにより、無線接続にて、ソニーのαのモニターとしてXperia 1を活用することが可能。この連携機能自体は他のiOS/Android機種でも使えます。

 Transfer & Tagging add-onにより、スマホで事前サーバーへの即時納品ソリューションも。例えばスポーツの映像をαで撮影し、どちらのチームが勝ったかの勝敗情報や選手名などのタグを付加してテレビ局などのサーバーに納品する仕事を想定しているそうです。こうした映像納品の仕事は従来PC/Macを使って行っていたものの、カメラとスマホのみで完結すれば業務が一気に効率化、速報性の高い映像も即納品できるというわけ。将来的にはスマホ側で撮った映像にもタグ付加機能を付けたいとのことです。

ハンズオンレビュー。軽めでサクサク

 「縦長化したXperia Zシリーズ」といった印象。背面はガラス、側面はXperia Z4のような光沢。側面にはシャッターボタン、電源ボタン、指紋認証センサー(電源ボタン非内蔵)、音量キーが並びます。

 スピーカーは前面上部と底部に配置されたステレオスピーカー。端子はUSB Type-Cを備えます。

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 カラーリングはPurple, Black, White, Greyの4色。Zシリーズといえばこの色しかない高貴なPurple、前面から見える四辺周囲も黒で統一されクールなBlack、指紋が目立ちにくいWhite、これまでにありそうになかった独特な印象のGrey、どの色もなかなか魅力的。各筐体の様子は動画で(10分45秒から)も確認できます。

 持った感触は、縦方向に大きいのに狭い幅に驚くことでしょう。重量は178g(MWC 2019での発表時点では180gだった)。

 私が普段使っているHuawei P30 Proが192g、iPhone XS Maxが208gであり、重い部類に入る機種を常用していることから、Xperia1は軽く感じました。GALAXYや156gのXperia XZ1からは重くなりますが、193gのXZ3や236gのXZ2 Premiumからはきっと軽く感じるでしょう。個人的には、競合他機種程度の重量に収まるならば、後継機はQiワイヤレス充電搭載や電池容量増加に期待したいですね。

 動作は、Snapdragon 855搭載の高級ハイエンド機なら当然のサクサク感。Xperia 10と比べると圧倒的に快適。実行メモリは6GB。まず不安のないスペックです。無線はNFC、Bluetooth 5.0、Wi-Fi 2.4 / 5GHz、4G LTE、4×4MIMOに対応。5Gには非対応。今回は明かされませんでしたが、国内版にはFeliCaの搭載を期待したいところです。

総評:一般層に届いて欲しい「プロ向け」のエモさ

 Xperia Zシリーズの時代から誰もが思っていたことが「ソニーはサイバーショットもウォークマンも持っているのに、なぜ他事業部の技術を本気で投入し、勝負に出ないのか?」ということ。One Sonyは良いところまでは行きましたが志半ばで終わってしまいました。「Xperia X Performance」以降、コストカットが露骨な意識高い系の今ひとつ煮え切らない機種が増え、ファンからの関心も徐々に薄れていったように思います。

 ソニーの総合力で1から生まれ変わったとする「Xperia 1」は、まさに「One Sonyの夢よ、もう一度」で、しかもサイバーショットやウォークマンではなく、まさかのシネアルタ・マスターモニターといったプロ向け機器や映画部門など、あっと驚く方向から技術を投入する新しいOne Sony。映画ファンやオーディオビジュアルマニア、ソニーファンの心を鷲掴み。プロ向け機器の技術投入というエモさ。圧倒的なワクワク感があります。

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 今思い返せばXZ1まで保守的なデザインだったXperia。自分は別にZシリーズのデザインが永遠に続いて欲しいと思ったことはなく、当時の周囲の機種と比べれば無比のカッコよさであっただけで、ワクワク感の本質は「次はソニーの持つ技術がいかに投入され、あっと驚かせてくれるのか?」だったのだと思います。ソニーらしい21:9ディスプレイで再設計されたXperia 1のデザインには、今の全画面時代にあるべきカッコよさも、ソニーならではの技術も、攻めの決意も感じられます。

 俺たちのXperiaがついに帰ってきた、そう感じる一方、プロ向けの技術というのは一般層に刺さりづらいと思われる中、商業的にどこまで成功できるのか?という一抹の不安も過ります。

 とはいえ、目の肥えた人が誰も熱烈に推さないフラッグシップでは評価を高めることはできず、フラッグシップに魅力がなければラインナップ全体を牽引することはできず、ブランドは沈没します。こだわりのある層に確実に刺さる尖った本気機種で再スタートの第一歩を踏み出し、着実に評価を固めていくことは間違いだと思いません。キャリア発表に先んじてメーカー独自発表を行う気概も含めて応援したいところ。

 「Xperia 1」は大いなるポテンシャルを秘め、今後の明るい方向性を示していると思います。Xperiaの復活と躍進に期待します。

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