
楽天モバイルと楽天シンフォニーは、Open RAN商用ネットワークにAI活用型の「RIC」(RAN Intelligent Controller)を導入してきました。2025年5月に国内初の大規模商用導入を発表し、2026年2月26日には全国展開の完了を明らかにしています。
成果としては、RANの消費電力を従来比で約20%カットできるとのこと。2026年2月19日には国際業界団体TM ForumのANレベル評価のvalidation(評価の妥当性検証)でレベル4の認定も取得しました。
RICは、基地局(RU・CU/DU)をAIと機械学習で制御するアプリケーション基盤です。RIC上で動く「rApps」が、トラフィックのパターン解析から需要予測、基地局の稼働率調整までを自動で最適化します。いわばスマートフォンでいうAndroidやiOSのような「プラットフォーム」と言えそうです。
楽天グループの説明では、従来のRANはネットワーク総電力の約80%を食っており、省電力化は運用コストに直結します。デモでは4G MIMOの送信制御で約30%の削減も確認されたそうです。
TMFの「自律型ネットワーク レベル4」は、自律度レベル(0〜5)の上位段階にあたります。商用Open RAN環境で「RAN Energy Efficiency Optimization」シナリオ(GB1059H)においてインテント駆動型のクローズドループ自動化を最小限の人的介入で達成したと、世界で初めて認定されたという位置付けです。
「インテント駆動型のクローズドループ自動化」をざっくり言うと、人間は「こうしてほしい」という目標だけ設定し、あとはシステムが監視→判断→実行→確認を自動で回し続ける仕組みです。エアコンで「26度にして」と頼めば勝手に調節してくれる——あのネットワーク版ですね。
RICはO-RAN ALLIANCE準拠のオープンな設計で、サードパーティー製アプリも取り込みやすい構造です。実際、米AirHop Communicationsや蘭Future Connectionsなどと連携し、外部製・自社製rAppsのNon-RT RICへの統合を進めています。楽天シンフォニーのマーケットプレイス「Symworld」でもエコシステムの拡充が進行中です。
6G時代でもRICは重要な技術になるとみられています。楽天モバイルは「早ければ2028年ごろから6GのPoC(概念実証)が始まる」との見通しを示しており、海外事業者への販売も計画しているそうです。




















