
ポルノ遮断、成人でも解除不可。
米国で、キリスト教徒向けを掲げる携帯電話サービス「Radiant Mobile」が登場です。ポルノを通信ネットワーク側で遮断し、成人のアカウント保有者であっても解除できないのが最大の特徴で、MIT Technology Reviewが伝えています。
Radiant Mobileは自前で基地局を持つキャリアではなく、CompaxDigitalを介してT-Mobileの5G網を借りるMVNO(仮想移動体通信事業者)です。フィルタリング部分にはイスラエルのサイバーセキュリティ企業Allotの「NetworkSecure」を採用し、100以上のカテゴリでドメインを分類して遮断する仕組みとなっています。
LGBT・ジェンダー関連コンテンツも「sexuality」カテゴリとして全プランでデフォルトONに設定されます。こちらは成人のアカウント保有者であれば任意でオフにできますが、ポルノブロックは未成年・成人を問わず解除不可とされています。なお、暴力、自傷、マルウェア、ゲーム、さらに「sects」と分類されたサタニズム関連サイトもブロック対象に含まれるそうです。
ネットワーク側で塞ぐ、というのが今回の肝です。端末にアプリを入れたりブラウザを切り替えたりして回避できる類のフィルタではありません。
料金は個人プランで月29.99ドル。カップルなら1人あたり28.99ドル、3〜7人の家族プランで1人あたり27.99ドル、8〜12人向けの「Tribe」プランで1人あたり26.99ドルと、人数を増やすほど割安になる構成です。通話・SMSは無制限を掲げ、データについても料金カード上は無制限と表示されていますが、同じ公式プランページには「5Gデータ6GB」との記載もあります。加入者については、料金の一部を本人が指定した教会へ寄付するマーケティングも展開するといいます。
創業者のポール・フィッシャー氏は、ナオミ・キャンベルらを担当したファッション業界の人材エージェント出身という経歴。「我々はイエス中心の、ポルノもLGBTもトランスもない環境を創る」と語っています。COOのクリス・クリミス氏はオーランド拠点の牧師で、プロジェクトには1750万ドル(約26億円)が投じられ、NVIDIA副社長のロジャー・ブリングマン氏がリード投資家として名を連ねているそうです。
ノースイースタン大学のDavid Choffnes教授はMIT Technology Reviewに対し、米国の消費者向け携帯プランで成人ですら解除できないネットワーク層ブロックが採用されるのは前例がないと指摘。フィルタの粒度については「大槌で叩くようなアプローチ」と評しました。誤分類で巻き込まれた合法サイトの救済はどうなるのか、地味に重い問題です。
料金やデータ容量で勝負してきた通信プランが、ついに「価値観」を軸に差別化する時代へ踏み込みつつあるのかもしれません。



































