
ドコモ、金融にガチ。
NTTドコモは3月31日、100%子会社「株式会社NTTドコモ・フィナンシャルグループ」(以下、ドコモFG)で2026年7月1日から事業を開始することに向けて、ドコモが展開する金融領域のサービス・事業や関連株式を承継させる吸収分割を行うことを決議したと発表しました。
なお、実施にあたっては関係当局の必要な許認可等の取得と必要な株主総会の承認が前提となっています。
ドコモFGには、d払い・dカードといった金融領域の事業が原則として承継される予定です。あわせて、ドコモマネックスホールディングス、ドコモ・インシュアランス、ドコモ・ファイナンス、住信SBIネット銀行の株式も、各社所定の手続きを経たうえで承継される見通しです。
「吸収分割」とは、会社の事業の一部を別の既存の会社にそっくり移す法的手続きのことです。事業そのものだけでなく、それに紐づく資産や契約関係、権利義務なども一括で引き継がせることができます。要するに、会社を丸ごと合併するのではなく、必要な部分だけをスパッと切り出して渡せる仕組みです。
今回のスキームでは、ドコモ本体から金融領域のサービス・事業と関連する子会社株式、さらに資産や契約上の地位などをドコモFGに承継させる形になります。
ドコモFGの準備会社自体は2025年6月に設立済みで、所在地は東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー、資本金は2億円です。なお、ニッキンONLINEによると、社長にはドコモ副社長を務めたNTTの廣井孝史副社長が就任する方向で調整しているとのことです。
また、住信SBIネット銀行は、関係当局の認可を前提に、2026年8月3日付で「株式会社ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更する予定です。ドコモの名前が銀行に冠されるというのは、やはりインパクトが大きいです。
では、なぜこのタイミングで再編に踏み切るのでしょうか。背景には、金融領域でのガバナンス強化と機動的な事業運営があります。ドコモの公式発表では、金融領域における事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、さらなる事業成長および金融リスクに対するガバナンス体制の強化を図ることを再編目的に挙げています。加えてニッキンONLINEによると、金融事業で障害事案が発生した場合などに迅速に対応するため、金融庁から別会社化を求める指摘を受けたことも再編理由の一つとされています。
一方、通信大手各社が金融領域を強化する流れは、ドコモだけにとどまりません。KDDIは2019年4月に中間金融持株会社のauフィナンシャルホールディングスを設立しており、2025年1月にはauじぶん銀行を完全子会社化しました。そしてソフトバンク傘下のPayPayは2026年3月に米国上場を完了し、楽天グループもフィンテック事業の連携強化に向けた再編協議を進めています。
改めて通信キャリア同士の戦場が、回線の速度や料金から「お金の流れを丸ごと囲い込めるか(経済圏構築)」に移りつつあることが伺えます。
一方で利用者としては、通信品質やバギーなdアカウント周りという屋台骨が崩壊している中で飛び道具に頼っているように映るので、遠い目で見るしかありません。


















