Huaweiは、中国国内でカメラフラグシップスマートフォンの「HUAWEI Pura80 Ultra」を発表しました。
超高ダイナミックレンジの1型センサーと可変絞りを搭載した広角カメラや、1/1.3型の大型センサー搭載で2段階の焦点距離切り替えが可能な望遠カメラが主な特徴となっています。
デザイン
Pura80 UltraはPura70シリーズを踏襲した三角形の形状のカメラバンプで、風見鶏をイメージした光に反射する溝加工がされています。厚みが増し大きくなったことで、カメラの主張がさらに強まっています。
カラバリはゴールドとブラックの2色。フレームまで色付けされており、ゴールドだけでなくブラックもカメラリングが金色になっています。
ディスプレイ
画面は1-120Hz LTPO駆動に対応した6.8型有機ELディスプレイ。フレームに向かって全体がわずかに湾曲したマイクロクアッドカーブ仕様となっています。3000nitのピーク輝度で、写真表示の際に拡大をしても、明るさとディテールを鮮明化できるAI技術を実装。
前面ガラスには傷や落下に強い独自の第2世代の玄武岩強化ガラスを採用し、堅牢性を高めています。筐体はIP68・IP69の防水防塵にも対応。
パフォーマンス
SoCはスペック表に記載がないものの、Mate70シリーズと同じか改良されたKirin 9020だと思われます。Pura70 Ultraから全体的なパフォーマンスが36%向上しているとのこと。
通信面もハード・ソフトの両面で強化され、コンサート会場や混雑の多いテーマパークでのアップロード速度が向上したといいます。衛星通信体験も向上。
また、ステレオスピーカーは前世代の10倍の音響空間容積を備え、立体的で臨場感のある体験ができるようです。
バッテリー容量は5700mAhで、100Wの有線急速充電と80Wの無線急速充電に対応。
HarmonyOS 5.1ではAIアシスタントに独自のHarmony Inteligenceを搭載。画像や映像・音声を認識し、内容の解説や解決策を提案でき、日常場面でAIとのインタラクティブなコミュニケーションを可能にしています。

AIに映像をみせながらやりとり可能
また、AI機能として覗き見を検知して知らせる機能や通話時のAIノイズリダクションを実装。画像や動画などをワンアクションで周りの人と送受信する機能や、手のジェスチャーで操作可能な機能も追加されています。
カメラ
広角カメラは沈胴式ではなくなりましたが、依然として1型センサーとf/1.6-f/4.0の可変絞りを搭載しています。新しくなったセンサーはゲインの異なる3つの画像を同時撮影することで、最大16EVの超高ダイナミックレンジを実現。この数値からSONY LYT-900の約4倍程度のダイナミックレンジだと推測されます。
このセンサーは正式には公開されていないですが、著名リーカーの数码闲聊站氏によると、中国Smartsens製のSC5A0CSだとのこと。LOFIC(横型オーバーフロー蓄積容量)技術によってより多くの光電荷を蓄積し、明るい環境での白飛び耐性や鮮明さを大幅に向上しているとされています。Pura80 Ultraでは動画撮影でハイライトのディテールとシャドウの深みや鮮明さが高まり、キャンプファイヤーという厳しいシーンでも人物と炎を捉えられています。
Mate70シリーズでも採用されたマルチスペクトルカメラを搭載。画像処理プロセッサの進化と合わせて、昼夜を問わず高い色再現性を実現します。

作例
Pura80 Ultraの注目はデュアルレンズのペリスコープ望遠カメラ。単一のセンサーに対してレンズ開口部が2つあり、プリズムを動かし光路を変化させる画期的な技術を実装。これにより、2つの光学的な焦点距離をシーンや倍率に合わせて切り替えての撮影が可能になりました。
Xperiaもレンズを動かし焦点距離を変化できる望遠カメラがありますが、こちらは1/3.5型のセンサーを搭載。Pura80 Ultraはそれよりも圧倒的に大きい1/1.3型センサーとなっています。切り替え可能な2つの焦点距離は光学3.7倍(83mm)と光学9.4倍(212mm)。ただし、光学9.4倍は5000万画素から1250万画素を切り出した2倍ロスレスズーム込みでの数値。ですので、実際の焦点距離は1.28倍分しか変化していないことに注意が必要です。
この強力な望遠カメラにより、中距離・遠距離のポートレート撮影、風景撮影、夜景撮影での撮影品質が大幅に向上。さらに、複雑な環境下であるステージ撮影専用の4K動画撮影モードを用意し、高倍率での色再現性や陰影表現、鮮明さを高めているとのこと。

作例
色調のプリセットとして従来のオリジナル・ビビッド・ブライトに加えて、自然・フィルム・映画・アニメ漫画の4つを追加し、シーンや好みに合わせたカラースタイルの選択肢を増やしています。さらに、カラースタイルの色温度、彩度、コントラスト、明るさをカラーパットの操作によって直感的に調整可能になりました。
また、Pura80シリーズではパノラマ撮影機能が強化。パノラマ特有の歪みを減らした上、鮮明な画質で広い視野を捉えることができるといいます。
AIを活用した撮影補助機能として、AIアシスト構成機能を追加。被写体に応じてAIが構図をアシストした上で、自動で最適な倍率で撮影してくれます。
このほか、映り込みを消しつつ鮮明度を高めるAI反射除去機能や、電源ボタンでカメラ起動やズーム調整ができる機能を実装しています。
発売日・価格
「HUAWEI Pura80 Ultra」は中国国内で6月26日に正式発売。価格は9999元(約20,2万円)から。
スペック
OS | HarmonyOS 5.1 |
---|---|
SoC | Kirin 9200(?) |
メモリ | 16GB |
容量 | 512GB,1TB |
画面 | 6.8型 FHD+ (2848×1276) 有機EL LTPO 1-120Hz可変リフレッシュレート 局所ピーク輝度:3000nit 1440Hz PWM調光 クアッドカーブディスプレイ |
カメラ | 標準:22.5mm 5000万画素 1型 1.6μm f/1.6-f/4.0 可変絞り OIS 光学3.7倍望遠:83mm 5000万画素 1/1.3型(RYYB) 1.2μm f/2.4 OIS 光学9.4倍望遠:212mm 1250万画素 1/2.9型(計算値) 1.2μm f/3.6 OIS 広角:13mm 4000万画素 f/2.2 AF マルチスペクトルカメラ |
インカメラ | 1300万画素 f/2.0 AF |
電池 | 5700mAh 100W有線急速充電 80Wワイヤレス急速充電 ワイヤレス逆充電 |
寸法 | 163×76.1×8.3mm, 233.5g |
カラー | ゴールド、ブラック |
その他 | 側面指紋認証 ステレオスピーカー USB 3.1 Gen 1 IP68/IP69 衛星通信 |