国際版XPERIA Z2 (D6503)の日本キャリア版は、NTTdocomo向けのXPERIA Z2 SO-03Fと、KDDI向けのXPERIA ZL2 SOL25の2種類が存在します。
D6503に、単にFeliCa等日本向け機能を載せたのがXPERIA Z2 SO-03Fです。一方で、4K撮影やノイズキャンセリング機能はそのままに、強化ガラスによる特徴的なオムニバランスデザインを廃し、全体的なコストダウンを図ったのがXPERIA ZL2 SOL25となります。
赤色はとりわけ良い部分や改善点、青色は改悪された点です。
XPERIA Z2 | |||
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D6503 | SO-03F | ZL2 SOL25 | |
OS | Android 4.4 KitKat | ||
SoC | Snapdragon 801 MSM8974AB 2.3GHz クアッドコア | ||
ディスプレイ | 5.2インチFHD IPS液晶 | 5.0インチFHD VA液晶 | |
メモリ | 3GB | ||
ストレージ | 16GB | 32GB | |
キャリアロゴ | なし | 前面上部 | 背面下部 |
カメラ | 1/2.3型 Exmor RS for Mobile 2070万画素 | ||
インカメラ | 220万画素 | 31万画素 | |
バッテリー | 3200mAh | 3000mAh | |
薄さ | 8.2mm | 10.8mm | |
重量 | 158g | 163g | 167g |
国内機能 | 防水防塵 | 防水防塵, FeliCa, ワンセグ/フルセグ | |
その他 | 騒音除去対応イヤホン付属 | 騒音除去対応イヤホン付属せず |
XPERIA ZL2 SOL25は、視野角の狭い5.0インチVA液晶やバッテリー容量など、昨年モデルを踏襲しています。インカメラの画素数も少ないものになっています。【追記】海外でも酷評:XPERIA Z2aとZ2の比較と海外の反応
2013年の夏モデルでも、KDDI向けのXPERIA UL SOL22は、デザインが変更された挙句、ベースモデルよりも厚くなったといった問題はありました。それでもベースモデルと比べて、ワンセグアンテナを内蔵している点や、電池パックの差し替えが可能など、厚さとトレードオフと考えられるメリットがありました。
しかし今回のXPERIA ZL2は、内蔵アンテナも着脱可能なバッテリーもありません。ZL2だからこそ優れているという点はあまりないかと思います。
この3つのモデルの中で、ZL2 SOL25は、理論値150Mbpsに達するキャリアアグリケーションと、WiMAX2+に対応しています。しかしNTT docomoはキャリアアグリケーション無しで理論値150Mbpsを達成していること、年度内にキャリアアグリケーションで下り225Mbpsの理論値となるLTE-Advancedを開始すること、そして何よりWiMAX2+は、以前の+WiMAXのような通信量無制限などのメリットは付随しないことから、KDDIの通信というのは思ったほど差別化ポイントにはなっていないように思います。
XPERIAを選びたいユーザーは、ZL2ではなくZ2を選択すべきです。
KDDI以外に乗り換えられない特段の事情があるユーザーは、WiMAX2+やキャリアアグリケーションの利用できる、たとえばAQUOS SERIE SHL25などを選択すべきです。SHL25は4Kビデオ撮影もできます。キャップレス防水にも対応していますし、(Z2よりは少ないですが)ZL2よりも多い3150mAhのバッテリーを搭載しています。
それでも、どうしてもKDDIでXPERIAを使いたいというユーザーは、XPERIA Z1やZL2の安売りを狙うか、今後出てくるであろうXPERIA Z3が、極力グローバルモデル準拠でauから登場することに期待するしかないと思います。