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中国発AIエージェント「Manus」創業者が出国禁止に、Meta買収審査の一環か

 買収されても、国は出られない。

 中国発で、現在はシンガポールを拠点とするAIエージェント開発企業Manusが、中国当局の審査に直面しています。Financial Timesが報じ、ReutersやWashington Postなどが後追いしました。

 中国当局は、ManusのCEO Xiao Hong(肖弘)氏とチーフサイエンティストのJi Yichao(季逸超)氏の2人について、国外への渡航を認めていないと報じられています。2人は中国国内の移動は許可されているものの、国外には出られない状態です。

 背景にあるのは、MetaによるManus買収です。Metaは2025年12月に買収を発表しました。取引額は公表されていませんが、報道では20億〜30億ドル規模、または20億ドル超とされています。Manusは同月、自社ブログで年間経常収益(ARR)が1億ドルを超え、総売上ランレートが1億2500万ドル超になったと説明していました。

 中国当局が問題視しているのは、Manusが中国で生まれた技術と人員をシンガポールに移し、その後Metaへ売却した過程です。Reutersによると、当局はスタッフや技術のシンガポール移転に中国法上の輸出許可が必要だったかどうかを見ています。

 2026年1月、中国商務部はこの買収を評価・調査すると表明しました。商務部が挙げた論点は、海外投資、技術輸出、データ移転、越境M&Aに関わる法令順守です。さらに3月には、国家発展改革委員会(NDRC)が2人を北京に呼び出し、投資規制違反の可能性をめぐって事情を聴いた後、国外に出られないと告げたと報じられています。

 Metaは、取引は適用法令を完全に遵守しており、調査は適切に解決されると見込んでいるとしています。Manusは法務・コンサルティング面の支援を探しているとされ、今回の措置が事業運営にどこまで影響するかはなお不透明です。

 またAPによると、Metaは買収後、Manusに中国側の持ち分は残らず、中国でのサービスと事業は終了すると説明していました。一方で、Washington Postは、今回の渡航制限が運営にどう影響するかはなお不明だと伝えています。

 Manusは「第2のDeepSeek」とも呼ばれてきた企業です。今回の案件は、中国発AI企業がシンガポール移転や海外売却を進める際、技術の出自や移転経緯が厳しく問われうることを示す事例といえます。

 登記や本社を移しても、技術の出自や開発経緯まで消えるわけではありません。今回のManus問題は、中国発AI企業の越境再編が強い規制リスクと隣り合わせであることを示しました。

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