
量産前についえた夢の一台。
車内でPS5やPS4のゲームをリモートで楽しめる機能でも注目を集めたEV。そんな夢のようなコンセプトで話題になった「AFEELA」が、市場に出ることなく幕を閉じます。ソニーとホンダの合弁会社ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は3月25日、EV「AFEELA 1」と、開発中だった第2モデルの開発・発売を中止すると発表しました。The Vergeなどが伝えています。
AFEELA 1は2グレード構成で、Originは8万9900ドルから、EPA推定航続距離は最大300マイルです。カリフォルニア州での納車は2026年内に始まる計画で、現行の製品ページではSignatureが2026年後半、Originが2027年開始予定とされていました。
また、オハイオ州イーストリバティのホンダ工場では、2025年秋に量産準備の一環として試作生産も行われていました。それだけに、突然の中止発表の衝撃は大きいものがあります。
背景にあるのはホンダの戦略見直しです。ホンダは3月12日、北米向けに計画していた3つのEV、Honda 0 SUV、Honda 0 Saloon、Acura RSXの開発・市場投入の中止を発表しました。あわせて、今期計上分と来期以降の追加分を合わせた関連損失が最大2兆5000億円に達する見込みも示しました。ホンダは、中国市場で新興EVメーカーとの競争が激化する中、より高い費用対効果を持つ製品を出せず、競争力が低下したとも説明しています。
この戦略転換により、SHMが当初の事業計画で前提としていたホンダからの技術や資産の提供が受けられなくなりました。SHMは「市場投入への実行可能な道がなくなった」と判断。米カリフォルニア州のAFEELA 1予約者には予約金を全額返金します。予約金は当初200ドルでした。
SHMは今後の事業方針についてソニー・ホンダ両社と協議を続けるとしていますが、具体的な道筋は示していません。2022年9月に設立された合弁事業は、約3年半で主力計画の中止を決定。エンタメとモビリティの融合を掲げた挑戦は、量産前の段階でいったん幕を下ろすことになりました。



















