
35年以上にわたりチップの「設計図」を売ってきたArmが、自ら量産シリコン製品を出す側へ踏み出しました。The Vergeによると、その第1弾はAIデータセンター向けの「Arm AGI CPU」で、Metaがリードパートナー兼共同開発者を務めるそうです。
Armが発表した「Arm AGI CPU」は、Armにとって初の量産シリコン製品であり、初のArm設計データセンターCPUです。TSMCの3nmプロセスで製造され、Arm Neoverse V3コアを最大136基搭載。最大3.2GHzのall-core動作、ブースト時は最大3.7GHz、TDP(熱設計電力)は300Wだといいます。Armは統合チップレット設計(小さなチップを複数組み合わせてひとつのプロセッサとして動かす手法)やsub-100nsのメモリ遅延もアピールしています。
リードパートナー兼共同開発者はMetaです。MetaはこのCPUをAI最適化データセンター向けに使い、独自のMTIA siliconと組み合わせる計画です。Armは、x86 CPU比でラックあたり2倍以上の性能を発揮し、AIデータセンター容量1GWあたり最大100億ドルのCAPEX削減につながると試算しています。Santosh Janardhan氏も、Armと共同でArm AGI CPUを開発し、データセンターの性能密度を大きく高める効率的な計算基盤として展開していく考えを示しました。
Metaは、このCPU向けのボード設計とラック設計を、今年後半にOpen Compute Projectのもとで公開する予定なのだとか。Meta以外にも、Cerebras、Cloudflare、F5、OpenAI、Positron、Rebellions、SAP、SK Telecomが導入パートナーとして名を連ねています。
Armによれば、Arm AGI CPUはすでに注文可能で、早期システムも利用可能。より広い提供は2026年後半を見込んでいるそうです。Rene Haas CEOは今回の動きを、Arm compute platformの次の段階であり、同社にとっての節目だと位置づけました。
IPライセンサーからシリコン製品まで手がける会社へ。Armの一手は、AIデータセンター向けCPU競争でArm勢の存在感がさらに強まりそうだという空気をはっきり感じさせます。x86勢との競争も、これまで以上に熱を帯びそうです。


















