
電池が外せないだけで売れない?
メガネ型デバイスにAIを載せ、ウェアラブルの新時代を切り開こうとするMeta。しかし大西洋の向こう側では、テクノロジーではなく「電池」が大きな壁になっています。Bloombergが報じ、The Vergeも伝えました。
Metaが米国で799ドルから販売する「Meta Ray-Ban Display」のEU展開は、バッテリー規制、AI関連規制、供給制約という3つの障壁に直面しています。なかでも厄介なのが、EU電池規則(Regulation 2023/1542)第11条です。同規則自体はすでに発効しており、第11条は2027年2月18日から適用されます。
これはポータブル電池を組み込む製品について、エンドユーザーが市販の工具で電池を取り外し・交換できる設計を原則として求める内容です。
スマートグラスにとって、これは大きなハードルです。もっとも、例外は「防水デバイス一般」ではなく、水しぶきや水流、水没に日常的にさらされ、洗浄やすすぎを想定する機器向けの限定的な部分適用除外です。ガイドラインでは5つの指標が示されており、適用された場合でも電池交換は独立した専門業者に限られます。完全な免除ではありません。
Metaは2026年1月のCESで、英国、フランス、イタリア、カナダへの展開を一時停止すると発表しました。Metaが挙げた理由は、米国での前例のない需要と限られた在庫です。一方でBloombergは、EUの電池規制とAI関連規制もEU投入を難しくしていると報じています。
米国では需要が強く、待機リストは2026年まで伸びています。それでもEU市場への本格展開には踏み出せない。制度対応と製品設計のすり合わせが、スマートグラスというカテゴリの未来を左右しそうです。




















