
VAIO SX14-R 新モデル発表
VAIOは、個人向けPC「VAIO SX14-R」(法人向け:VAIO Pro PK-R)を発表しました。Intel Core Ultraシリーズ3プロセッサを搭載した、VAIO初のCopilot+ PCです。

受注開始は4月23日10時、発売日は2026年5月22日以降順次。価格は個人向け標準仕様32万7800円(記事中全て税込み)から、VAIOストア個人向けカスタマイズモデル最小26万9500円から。

個人向けVAIO SX14-Rでは、Intel Core Ultra 7 356HとIntel Core Ultra 5 325を選択できます。さらに、特別モデル(勝色特別仕様・ALL BLACK EDITION)のみ、上位のIntel Core Ultra X7 358Hが選択可能となっています。

Core Ultra X7 358H搭載時に、CPUベンチマーク(Cinebench R23 Multi Core)では、旧機種のCore Ultra 7 155H搭載モデルに対し123%のスコア、Ultra X7 358HのIntel Arc B390 GPUはOpenGLベンチマーク(Cinebench Version 15.038)では169%のスコア。同構成での画像生成スピードも、シリーズ1と比べて明らかに向上しており、これはNPUよりもグラフィック性能の向上が大きく寄与しているとのことです。
NPU性能は最大50 TOPS(旧モデルは最大11 TOPS)に達し、すべての構成でCopilot+ PCの要件を満たします。ストレージは第五世代ハイスピードSSD(PCIe Gen5)が選択可能で、シーケンシャルリードは第四世代(Gen4)比177%。メモリはLPDDR5Xで最大64GBまで搭載できます。
CESで発表されたばかりのようなIntel Core Ultraシリーズ3のいち早い採用について、開発本部プロダクトセンターの柴田氏は、AIエージェント時代の到来と国内法人AI PC構成比率の伸びを見据え、このタイミングを狙って戦略的に開発を進めてきた経緯を明かしました。
シリーズ3プロセッサはシリーズ1と定格電力こそ変わらないものの、ウェハの微細化によって熱密度が増加し、CPUの最大動作温度も低下。許容できる温度上昇の余裕が減ったことが課題でした。
開発チームはヒートパイプ・放熱板の改良とフィン改良の2方向を検討し、部品を製作して評価した結果、最適解としてフィン改良を選択。排熱部やキーボード部での温度低下を実現。この改良により、ファンがノイズの気になる高回転域に滞在する時間が旧モデルの44%から21%へと大幅に低減。新プロセッサの高性能・低消費電力特性と相まって、ファンノイズを抑えつつ動作します。ベンチマークスコア(UL Procyon Office Productivity Benchmark)でも約10%向上しており、静音性とパフォーマンスを両立しているそうです。
最軽量構成時の質量は個人向け約958gから。本体サイズは約312mm×226.4mm×13.9~18.9mmです。軽くてタフでカッコいいのがVAIOですよね。14型で1kgを切ってくれるのはかなり嬉しいです。

コパイロットのパソコン?ということは「あのキー」も搭載。

割り当ての他の動作へのカスタマイズも可能です。

バッテリー駆動時間はJEITA測定法3.0で動画再生時最大約20.5時間(構成により異なる)。現行モデルの最大約16.0時間から伸びています。大容量バッテリーもオプションで選択可能です。
新機能として「エコ撮影モード」を搭載しました。カメラ使用時に相手側には気づかれない程度にフレームレートを制限することで消費電力を低減するもの。従来からの「ノールック節電」(画面を見ていない間に自動で輝度を下げる機能)や「いたわり充電モード」(80%/90%/自動を選択可能)も引き続き搭載。
充電閾値80%と90%。実用的な値を選べるのがいいですよね。ちなみに最近筆者は使い終えたノートPCをAIマシンに転用したりしてるんですが、充電閾値を50%にして運用してます。実はVAIOもそういう古いPCを充電しっぱなしで使い続けることも想定し、そういった低い閾値も検討はしていたんだとか。ただ、80%と50%の設定で、電池寿命への影響がそれほど大きくなかったことから、結果的に現行の80%/90%/自動という構成に落ち着いたのだそうです。
VAIOは日本初(ステラアソシエ調べ)のバッテリー保証サービスを新製品にも展開しています。個人向けでは購入から3年以内にバッテリー満充電容量(SOH)が80%以下になった場合、法人向けでは購入から4年以内に60%以下になった場合に無償交換となります。バッテリー状態は「VAIOの設定」アプリから確認可能です。他社製品ではバッテリーが無償保証の対象外であることも少なくない中、VAIOは自然故障から経年劣化までを総合的にカバーする「バッテリー総合保証」として展開しています。
3つのマイクを搭載し、対面の声を拾わず正面の声だけを集音できるVAIO独自のAIノイズキャンセリング機能を備えています。「会議室モード」を搭載し、6~8人程度の会議室で、遠くに座っている人の声を自動的に調整し、壁などに反射した反響音も抑制します。どの席からでもクリアに聞こえることを目指した機能です。従来からの「プライバシーモード」(集音範囲 左右約20度)や「プライベートモード」(左右約45度)も継続搭載されています。
「VAIOオンライン会話設定」では、カメラの一時停止、エコ撮影モード、逆光補正などを操作できます。

もちろん物理式のインカメラ遮断も備えます。


個人向け通常カラーでは、顧客の声に応えて新たにフラッシュサーフェス(グレア)パネルが選択可能になりました。グレアパネルはベゼルと一体化して段差がなくなるため、タッチパネル操作がしやすくなっています。WQXGA(2560×1600)のタッチ&ペン対応ディスプレイも用意しており、別売のデジタイザースタイラスで書き込みが可能です。
カラーはファインブラック、アーバンブロンズ、ブライトシルバー、ディープエメラルド、ファインレッド、勝色、オールブラックの7色展開。特別モデルでは隠し刻印キーボードも選択可能です。

通信はWi-Fi 7に対応。4G LTE / 5G(nanoSIM+eSIM)も選択可能です。Made in Japan・安曇野FINISHは引き続き継承。
AI時代のノートPCはどうなる?

VAIOの国内法人向けノートPC出荷台数は、CY2021比で312%に成長しています。市場全体の151%を大きく上回る伸びです。この好調について、同社はコロナ以降にPC投資への意識が変化したことが大きいと説明します。「安ければ安いほどいい」という考え方から、従業員のモチベーションを高める投資としてPCを捉えるトレンドに変わり、顧客との継続的なコミュニケーションで築いた信頼と合わせて好業績につながったといいます。
VAIOは今回の新製品説明にあたり、「AIエージェントの時代」におけるPCの役割を提示しました。同社が注目するのは2つの変化です。1つ目は、PCが単なる作業端末ではなく、AIと向き合い対話する「コミュニケーションツール」へと進化すること。2つ目は、PC上に自分の価値観や仕事の進め方を理解した「もう一人の自分」としてのAIエージェントが存在するようになることです。
こうした未来に向けて、インターフェースは自然言語での会話や音声操作へと進化していくとVAIOは考えているそうです。Web会議のために磨いてきたVAIOのマイク性能が、AI時代にも強みになるとの展望を描きます。また、AIとの共同作業が増えれば、進捗管理や指示出しのための専用ディスプレイが必要になるとし、サブディスプレイ「VAIO Vision+」の重要性が増す可能性にも言及しました。
さらに、PCから得られるセンサー情報を活用し、WebカメラをセンシングデバイスとしてAIがユーザーをより深く理解する方向性も示されました。こうして育てられるAIは極めて個人的な情報を扱うため機密性が重要であり、エッジデバイスであるPC内で育てていく可能性があるといいます。NPUは現時点では補助的な位置づけですが、今後主役になり得るとの見解です。
AI時代の相棒になるためにVAIOが持つ強みが発揮される未来。ただ今回の製品に現れているのは、あくまでそうしたビジョンのまだ片鱗に過ぎません。パズルのピースは揃っているなか、VAIOが具体的にどう生成AIを本格的に製品に落とし込んでいくのか?今後の展開に期待したいところです。



















