
1億7000万ドルの失敗を経て再挑戦。
2014年、Amazonは「Fire Phone」でスマートフォン市場に参入しましたが、販売は振るいませんでした。649ドルの価格は159ドルまで引き下げられ、端末は14か月で打ち切られ、在庫関連で1億7000万ドルの損失も計上しました。
それから約12年。Amazonがふたたびスマホに挑もうとしていると、Reutersが報じています。
プロジェクト名は「Transformer」。Amazonのデバイス部門内に約1年前に設けられたグループ「ZeroOne」が開発を主導しているそうです。
率いるのはJ Allard。1999年にXboxプロジェクトを共同創設し、Xbox LiveやXbox 360の立ち上げにも携わった人物 Wikipediaです。ゲーム機だけでなく、2006年にはAppleのiPod対抗として投入されたポータブルメディアプレーヤー「Zune」の開発も指揮しました Wikipedia。
Zuneとは「MicrosoftがiPodを倒すために作った携帯音楽プレーヤー」のこと。ハードディスクモデルやフラッシュモデルなど複 Wikipedia数製品を展開し、音楽配信サービス「Zune Marketplace」も整備しましたが、米国市場でのシェアはAppleはもちろんSanDiskやCreativeの後塵も拝し、2012年に全製品が終了 Wikipediaしました。
Xboxは世界的な成功を収めた一方で、Zuneは商業的には失敗に終わっています。つまりAllardは、巨大市場に切り込んで勝った経験と負けた経験の両方を持つ人物です。Amazonにとっては、Fire Phoneの教訓を活かすうえでこれ以上ない人選と言えるかもしれません。チームの使命は「画期的なガジェットを作る」ことだとされています。

Microsoft Zune
コンセプトは前回と異なるようです。AlexaとAIを前面に出し、既存のアプリ中心の使い方とは異なる端末を模索しているのだとか。Amazon.comでの買い物、Prime VideoやPrime Musicの利用、Grubhubのような提携先での食事注文などを、より使いやすくする構想です。従来型スマートフォンに加え、スクリーン依存への対抗を意識した機能限定の端末も検討しているといいます。Light Phoneに着想を得た「セカンドデバイス」路線です。
ただし足元は盤石とは言えません。まだ通信キャリアの提携先探しにも着手していないそう。プロジェクト自体が白紙に戻る可能性もあるとReutersは報じています。IDCによれば、2026年のスマートフォン出荷台数はメモリチップ価格の高騰を背景に13%減少する見通しで、市場の逆風は強いままです。
Fire Phoneの亡霊を振り払えるかどうかは、Amazonが「スマホを売る会社」ではなく「声で暮らしを動かすプラットフォーム」として端末を再定義できるかにかかっています。スマホでこそ負けたAmazonでしたが、家庭内のスマートホーム系ではけっこう浸透してますよね。機は熟したということなのかも。約12年越しに実を結ぶかどうか、注目です。


















