
「TikTokで稼げる」の末路。
「TikTokを見るだけで最大時給35ドル」。そんなうまい話、あるわけないですよね。Appleが、データ収集アプリ「Freecash」をApp Storeから削除しました。TechCrunchが伝えています。
Freecashは、TikTok広告を大量に打って「動画をスクロールするだけで稼げる」と宣伝し、2026年1月には米App Storeランキング2位にまで上り詰めたアプリです。ダウンロード数はApp StoreとGoogle Playの合算で1月だけで推定550万件、2月にはピークとなる約600万件に達しました。
ところが実態はかなり悪質です。TikTokを見て稼げるわけではなく、Monopoly GoやDisney Solitaireといったゲームをプレイさせて微額を渡す仕組みでした。
その裏で、Freecashのプライバシーポリシーには、ユーザーの人種、宗教、健康情報、生体データ、性的指向といった機微情報を自動収集しうる内容が含まれており、セキュリティ企業Malwarebytesが問題視しています。
しかもこのアプリ、2024年6月に一度App Storeから削除されています。にもかかわらず、キプロスの「256 Rewards」という別会社の既存アプリが「Freecash」に改名される形で復活しました。ボットの利用や偽レビューの疑いも指摘されていますが、裏付けはありません。
なお、TechCrunchによると、削除後に別の開発者アカウントで再参入する手口自体は「よくある、だが規約違反」とのことです。
Wiredが2026年1月に問題を報じた後、TikTokはFreecashの一部広告を削除しています。一方、Appleはすぐには動きませんでした。TechCrunchが13日(米国時間)にAppleへ問い合わせた後、ようやく削除に踏み切っています。TechCrunchによると、Appleはガイドライン3.1.2(a)と2.3.1を挙げ、誤解を招くマーケティングなどを問題視したとのことです。親会社であるドイツ企業Almediaは「ポリシーに完全に準拠している」と主張しており、Google Playではまだ調査中だとされています。
結局、メディアに指摘されるまで約3カ月も放置されていたことになります。「世界で最も安全なアプリストア」を掲げるAppleにとって、なかなか痛い一撃です。壁の高さを誇るより、穴の塞ぎ方を見せてほしいところですね。


















