AIがクラウドを離れ手元のPCへ。
Microsoftが開催したBuild 2026で、Windows向けのオンデバイスAIモデル「Aion 1.0 Instruct」と「Aion 1.0 Plan」がプレビューとして発表されました。これまでクラウドに丸投げしていたAI処理の一部を、端末の中で完結させようという狙いですね。
まず「Aion 1.0 Instruct」は、日常的なテキスト処理を担う次世代のSLM(小規模言語モデル)です。要約や書き換え、ユーザーの意図検出、アクセシビリティ機能などをこなします。Microsoftによると、現行のWindows OS向けSLMより小さく、高速で効率的なのだとか。
EdgeのPrompt APIやWriting Assistance APIsでは、これまでPhi-4-mini(40億パラメータのモデル)が使われてきましたが、その動作には一定のハードウェア要件がありました。
一方のAion 1.0 Instructは、性能の低いGPUや、そもそもGPUを積んでいないCPU推論の端末にまで対象を広げるとしています。Edgeブラウザにも組み込まれ、Edge InsiderのCanary / Devチャンネルでは、Edge 150.0.4070以降でフラグを有効にすればプレビューを試せるそうです。なお、2026年7月にはHugging Faceでopen weights(重みデータの公開モデル)として出す予定だといいます。
もう一方の「Aion 1.0 Plan」が、なかなか挑戦的です。こちらは140億パラメータ、32Kコンテキストのreasoning(推論)/tool-calling対応モデルで、ローカルでエージェントを動かすための頭脳という位置づけ。対応端末では、Windowsの一部としてin-box提供されると説明されています。
tool-callingというのは、AIがツールやアプリの機能を呼び出して使うことです。平たく言えば、AIに「あれやっといて」と頼むと、ファイルを整理したり、必要な処理を選んで実行したり、さらに小さなサブエージェントに仕事を振り分けたりまでこなす、というイメージ。それをクラウドに頼りきらず、端末内で回せるようにするわけです。
Microsoftはこれを「unmetered intelligence on Windows」と表現しています。要するに、使った分だけクラウドのトークン課金が積み上がるのではなく、ローカル資源の範囲でAIを動かせる基盤にするということ。あわせて既存のWindows AI APIsもNPU中心からCPU/GPUへ広げ、音声認識はNPUとCPU、Video Super ResolutionはCPUにまで対応を拡大します。
ただし注意点もあります。Aion 1.0 Planの提供は今後数か月内とされ、対象も全Windows端末ではなく「capable devices(対応した端末)」に限られます。そのため、実際にどのスペックが要るのか、どこまで快適に動くのかは、これから追っていく必要がありそうです。









































