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カメラ搭載オーディオグラス「HTC VIVE Eagle」レビュー。

 HTCのAIスマートグラス「VIVE Eagle」を購入しましたのでレビューします。価格はサングラスレンズおよびクリアレンズモデルが8万2500円、調光レンズモデルが9万8000円。販路はau(au Online Shopの取扱いはサングラスレンズのみ)やHTC公式オンラインストアなど。4月末から販売が開始されています。

 VIVE Eagleは「メガネに画面が出る」タイプの製品ではありません。ディスプレイは非搭載の代わりに、マイク、スピーカー、カメラを搭載します。

 重量は40g台から最大51g程度。筐体はプラスチック製で、手に取ると若干の安っぽさはありますが、HTC U12+などを思わせるような光沢感や色使いもあり、ファンには好ましいのかもしれませんし、カメラとスピーカーを搭載したスマートグラスとしては軽めです。テンプル部分は通常のメガネより太くAIグラス感はあります。

 鼻への圧力はわずかにはありますが、欧米人骨格基準のMeta系の製品より良いですね。HTC VIVE Eagleはアジア人向けに配慮し調整可能ノーズパッドがあるのは優位点と言えるでしょう。

 レンズはZEISS製で、UV400サングラス、クリア、UV380調光の3種類から選べます。度付きレンズはサンクスオプティカルグループおよび眼鏡市場の一部店舗で交換対応します。筆者が選択したクリアレンズは、iPhoneのFace IDもおおむね問題なく解錠できました。XREAL OneシリーズなどFace IDに支障が出る製品もあるため、この点は日常利用で嬉しい点です。

 初期設定には専用アプリ「VIVE Connect」を使います。対応スマートフォンはAndroid 10以上またはiOS 17.6以上。Bluetoothを有効にし、HTCアカウントでログインしてから、左テンプル先端のAIボタンを長押ししてペアリングします。

 初回はファームウェア更新、呼び名の設定、音声起動「Hey VIVE」のトレーニング、マイクや通知、メディア、Bluetoothなどの権限許可が続きます。

 操作系は左右で役割が分かれています。左テンプル先端にはAIボタン、右テンプル先端には撮影ボタンがあります。どちらもカチカチと押せる物理ボタンです。右側テンプルの側面全体はタッチパッドで、境目は目立ちません。音声起動の「Hey VIVE」は物理キーで代替でき、割り当てのカスタマイズも可能。

HTC VIVE Eagleレビュー、AIグラスの現実解を試す

 充電ケーブルは先端が独自形状の専用品です。充電端子は左側テンプル中央の小さな窪みにあり、ケーブル先端を垂直に接続します。紛失すると困るため、ここは注意が必要です。

 VIVE EagleはGoogle GeminiとOpenAI GPT ベータを使えます。ユーザーが切り替えて利用できます。応答性を重視しているためか知能は控えめですが、現時点のグラス型端末としてはそれほどおかしなことではありません。読みたい本のタイトルや買い物リストなど、音声で簡易メモを作成などができます。

 また、カメラで見ているものを認識し、音声で読み上げてくれる機能は面白いです。AIがカメラを持ち、視界を理解し、画面なしでユーザーへ返答する。ここに未来の可能性の一片を見ることができます。しかしまだまだ発展途上で、物をうまく認識できないこともしばしば。期待値を上げすぎると肩透かしを食らいます。

 録音機能に対応するほか、会話の自動文字起こしと要約を行う「VIVE AI Notes」は最大12言語に対応。購入者は3か月、最大15時間分を追加料金なしで利用できます。強化されたAI応答、位置情報検索、無制限メモリ容量を備える「VIVE AI Plus」についても、購入者には24か月の無料利用権が付帯します。

 カメラは12MPの超広角タイプです。写真は3024×4032px、動画は1512×2016pxの30fpsで撮影できます。

 撮影ボタンを押すとすぐ記録でき、撮影時にはLEDが光ります。LED表示は正直鬱陶しいですが、Metaも同等の仕組みを採用しており、カメラ付きグラスではそれに倣う例もあり、特段に本機だけおかしい点というわけではありません。

 画質はざっくり言えば、ローエンドスマホの超広角レンズぐらいです。あくまでAIの認識用と記録用ですね。写真作品を撮るためのカメラではありません。ただ、わざわざスマホを開いてカメラを起動して構えるまでもなく、眼鏡のボタンをそっと押すだけなのは、撮影までの敷居が変わるので、体験自体が変わります。

拡大しなければけっこう撮れる

拡大時のディテールは粗い

 つまり目に近い場所に配置されたカメラで目線を撮りやすくなるということ。毎日持ち歩くスマホにカメラが搭載されたことで使い方が変わったように、グラスに搭載されることで新しい可能性が広がるかもしれません。ただここから「撮ってすぐにSNSに即投稿」みたいなことは現時点ではできないのは注意が必要です。

 写真転送時、テザリングがオンになっているとWi-Fi Directで写真転送ができないのでオフにしてから転送しましょう。また、セキュリティを意識した仕様なのか、VPNがオンでも転送に失敗するようなので普段からVPNを使っている人は少し面倒に感じるかもしれません。

 スピーカー音質は案外健闘しています。本機の音響系は、テンプル部分に搭載された低音強化型のオープンイヤーステレオスピーカー2基が中心です。開放型音響にありがちな物足りなさは薄く、低域も出ており、ポップスやEDMなどビート主体の楽曲との相性は良好です。

 Spotify、Apple MusicYouTube MusicAmazon Musicなど、スマートフォン側で動作する音楽アプリは原則そのまま再生できます。Bluetooth対応の一般的なオーディオデバイスとして扱えるため、オーディオグラスとしても使えます。なおVIVE Eagleの音楽系音声コマンドは、スマホ側アシスタント(AndroidではGemini、iOSではSiri)との連携状況に左右されます。

 マイクは指向性1基と全指向性3基の計4基によるビームフォーミングアレイ構成です。騒音下でも声を拾いやすい設計で、音声操作や通話用途も想定されています。

 このほか、充電は側面のテンプルに独自規格の充電器を用います。

項目 HTC VIVE Eagle
種類 AIスマートグラス
ディスプレイ 非搭載
SoC Qualcomm Snapdragon AR1 Gen 1
メモリ 4GB
ストレージ 32GB
通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
カメラ 12MP超広角
写真 3024×4032px
動画 1512×2016px、30fps
防塵防水 IP54
対応スマートフォン Android 10以上、iOS 17.6以上
価格 8万2500円から9万8000円

 VIVE Eagleは、完成された未来のメガネではありません。むしろ、画面のないグラス端末が今どこまで実用になるのかを垣間見るためのプレ製品に近いと感じました。価格がもう少し安いと良かったと思います。AIグラスとして考えるとまだまだAIの知能やエコシステム、作り込みに不満が出ますので、「カメラ機能付きオーディオグラス」として見るのが良いのではないかと思います。

 一般的にこの手の顔に装着する製品は、装着感が人によって大きく変わってきますので、試着後の購入検討を強く推奨します。

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