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グラスの勝敗のカギを握る「レンズの中身」。LetinARの新技術量産化

 グラス端末が一気に増えてきましたよね。賑やかな表舞台の裏で、勝敗のカギを握る「レンズの中身」の供給元として、韓国スタートアップLetinARが存在感を高めています。独自光学技術「PinTILT」を武器に量産フェーズへ突入したと、TechCrunchが伝えています。

 LetinARは2016年、高校時代からの友人であるJaehyeok Kim CEOとJeonghun Ha CTOが共同創業した会社です。直近では韓国産業銀行(KDB)と小売大手ロッテ傘下のLotte Venturesなどから1850万ドルを調達。累計調達額は4170万ドルに達し、2027年の韓国市場でのIPOを視野に入れています。出資企業にはかつてLG電子も名を連ねており、業界からの期待値の高さがうかがえます。

 PinTILTは、レンズ内部に微小な光学素子を整列させ、光を「ユーザーの目に入る分だけ」精密に届ける方式。表示付きARグラスなどで使われるWaveguide(導波路、レンズ内で光を伝搬・出射させる方式)や、嵩張りやすいBirdbath(鏡で光路を曲げる方式)と比べ、明るく、薄く、軽く、消費電力も抑えられると同社は主張しています。なお同社公式情報では、広視野用途向けのA-Type PinTILTについて、同サイズ・同部品構成比で視野角を2〜4倍にできるとしています。

 たとえるなら、Waveguideがレンズ内に光を広く回して、その一部を目に届ける仕組みなら、PinTILTは必要な角度にだけ光を「狙い撃ち」する仕組み。バッテリー持ちが命綱になるAIグラスにおいて、これは地味に効いてきますよね。

 光学モジュールは既に出荷段階に入っており、日本のNTT QONOQ Devices、東芝のPC事業を継承したDynabookなどが採用済み。スイスのディープテック企業Aegis Rider(ETH Zürich発のスタートアップ)が2026年にEU・スイス市場へ投入予定のAR搭載バイクヘルメットにも、LetinARのレンズが入り込みます。競合にはWaveOptics(Snapが5億ドル超で買収)、DigiLens、Lumusなどが控えていますが、量産実績を積み上げている点は強みになりそうです。

 Kim CEOは「AIグラスは次のプラットフォームだ。最も難しいのは光学モジュールの部分」と語っています。MetaGoogleSamsung、そしてApple参入観測もあるこの戦場で、勝敗を分けるのは派手な完成品ではなく、その奥に潜むレンズの設計思想なのかもしれません。今のうちに名前を覚えておく価値、ありそうですよ。

Samsung のこれまで

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