
田舎の圏外、腕時計で消滅?
衛星通信は、フラッグシップ中心の機能から低価格帯へと着実に広がりつつあります。Huaweiのコンシューマー部門を率いるリチャード・ユー(余承東)氏が、移動衛星通信は千元機やスマートウォッチにも搭載できるようになり、スマートデバイスの標準機能になりつつあると説明しました。Huawei CentralやIT之家が伝えています。
Huaweiの衛星通信機能はこれまでMateシリーズやPuraシリーズを中心に展開されてきましたが、公式情報によるとすでにnovaシリーズの一部機種やEnjoy 70X系にも対応が広がっています。ユー氏は今回、移動衛星通信が千元機やスマートウォッチにも搭載可能になったと述べ、スマートデバイスの標準機能になりつつあるとの見方を示しました。
ユー氏によれば、現行の移動ネットワークは地理的なカバー範囲がまだ限定的であり、衛星通信がその穴を埋める役割を担います。
技術面で注目されるのが、衛星経由の音声メッセージ伝送に向けたAIベースの符号化・復号化技術です。ユー氏は、10秒の音声メッセージは約156KBになるものの、衛星伝送には約0.73KBまで圧縮する必要があると説明しました。このためHuaweiはAIエンコーダーで伝送に必要な特徴だけを抽出し、受信側のAIデコーダーが細部を補完しながら情報を復元する仕組みを開発しているとのことです。
ちなみに、WATCH Ultimate 2は公式に北斗衛星メッセージと最長10秒の衛星音声メッセージ送信をうたっていますが、この衛星音声メッセージ機能は中国本土版かつ中国本土での利用に限られます。
衛星通信をめぐっては、AppleがiPhone 14以降の全モデルでEmergency SOS via satelliteを提供しており、米国、カナダ、メキシコ、日本ではMessages via satelliteも利用できます。一方、QualcommのSnapdragon Satelliteは2023年1月に発表されたものの、Iridiumとの契約は同年12月3日付で終了しました。
そうした中で、Huaweiが低価格帯のスマホやウォッチへ対応を広げていけば、業界全体の流れに影響を与える可能性があります。「圏外」という概念が少しずつ薄れていく未来は、以前より現実味を帯びてきたのかもしれません。


















