
名刺サイズに、Raspberry Piの頭脳。
M5Stackが、手のひらに収まるLinuxマシン「CardputerZero」をKickstarterで公開しました。
心臓部にはRaspberry Pi Compute Module Zero(CM0)を採用。公式ドキュメントによればRP3A0(BCM2837)を使ったクアッドコアCortex-A53(1.0GHz動作)と、512MBのLPDDR2メモリを内蔵するそうです。つまり、Raspberry Pi Zero 2 Wに近い本格的なLinux環境が、そのまま名刺大のボディに収まったということです。

本体サイズは高さ84.0mm、幅54.0mm、厚み23.1mm。前作のCardputerシリーズ譲りの46キーキーボードと、1.9型(ST7789v3、170×320ドット)ディスプレイを載せ、1500mAhのバッテリーも内蔵します。USB Type-Cを2基、USB Type-Aを1基備え、側面スイッチでUSB 2.0のホスト/スレーブを切り替える構成です。なお接続まわりも充実しており、有線の10/100M Ethernet、2.4GHz帯のWi-Fi(802.11b/g/n)、Bluetooth 4.2/BLEと、有線無線どちらでもつながります。

CM0とは何か。これはRaspberry Piが2025年に公開した超小型の「組み込み向け頭脳ボード」です。たとえるなら、Raspberry Pi本体から映像端子やUSBといった「外回り」をそぎ落とし、心臓部だけを切手サイズの基板に凝縮したもの。M5Stackはそこに画面とキーボード、各種端子を足して、完成品として使える形に仕立てたわけです。
標準モデルにはSony IMX219の800万画素カメラ、IMU(BMI270+BMM150)、32GBのmicroSDカードが付属します。ほかにRTC(RX8130CE)、1Wスピーカー、MEMSマイク、3.5mm TRS音声出力、赤外線の送受信、HDMI出力(1080p/30fps)まで盛り込みました。さらにSPI/I2C/UART/USB/GPIOといった定番の信号線に加え、Grove相当のHY2.0-4P端子やM5Unitsにも対応するので、CC1101やNFCといったモジュールを足して遊ぶこともできます。
しかも公式サイトでは「あのロブスター」推し。OpenClawのような軽量エッジAIツールで日常作業、自動化、検証を支えるAIアシスタントを、必要なときすぐ使える形で持ち歩けるとも謳います。

ラインナップは2種類です。カメラ、IMU、32GB microSDを省いた廉価版「CardputerZero Lite」と、フル装備の標準モデルが用意されます。事前予約者向けのKickstarter Super Early Birdでは、Liteが59ドル(約9400円)、標準モデルが89ドル(約1万4200円)。公開後のEarly BirdはLiteが69ドル(約1万1000円)、標準モデルが104ドル(約1万6600円)、KS SpecialはLiteが79ドル(約1万2600円)、標準モデルが119ドル(約1万9000円)で、想定小売価格はLiteが99ドル(約1万5800円)、標準モデルが149ドル(約2万3800円)です。クラウドファンディングは5月26日に始まり、出荷は2026年11月ごろを予定しているといいます。
名刺大のフットプリントで、本物のLinuxが立ち上がる。かつてSHARPのザウルスやNetWalkerにときめいた世代には、刺さる人も多いのではないでしょうか。手のひらの上で完結する小さなパソコンというロマンは、いつの時代も色褪せないものですね。
| 項目 | CardputerZero |
|---|---|
| SoC | Raspberry Pi Compute Module 0(RP3A0 / Broadcom BCM2837 / クアッドコア Cortex-A53 1.0GHz) |
| メモリ | 512MB LPDDR2 |
| ストレージ | microSDカードスロット(標準モデルは32GBカード付属) |
| 画面 | 1.9型 ST7789v3 LCD(170×320ドット) |
| 入力 | 46キーキーボード |
| カメラ | Sony IMX219 800万画素(3280×2464、標準モデルのみ) |
| センサー | BMI270+BMM150 IMU(標準モデルのみ)、RX8130CE RTC |
| 音響 | ES8389 codec、MEMSマイク、1Wスピーカー、3.5mm TRS音声出力 |
| インターフェース | USB Type-C ×2、USB Type-A ×1(USB 2.0、ホスト/スレーブ切替)、10/100M Ethernet、HDMI出力(1080p/30fps)、赤外線送受信 |
| 無線 | Wi-Fi 2.4GHz 802.11b/g/n、Bluetooth 4.2 / BLE |
| 拡張 | SPI / I2C / UART / USB / GPIO、HY2.0-4P(I2C / UART切替)、EXT 2.54-14P、M5Units |
| 電池 | 3.7V / 1500mAh Li-Po |
| 寸法 | 84.0 × 54.0 × 23.1 mm |
| OS | Linuxベース |
| 価格 | Lite: 59ドル(約9400円、予約者向けSuper Early Bird)/ 69ドル(約1万1000円、Early Bird)/ 79ドル(約1万2600円、KS Special)/ MSRP 99ドル(約1万5800円)、標準: 89ドル(約1万4200円、予約者向けSuper Early Bird)/ 104ドル(約1万6600円、Early Bird)/ 119ドル(約1万9000円、KS Special)/ MSRP 149ドル(約2万3800円) |















































